第45回 一期一会レポート|若者と熟年・異業種交流会

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第45回一期一会の基本情報

開催日時 2016年7月16日(土)午前10時30分 開始
開催場所 銀座交詢社 10F会議室
講演者 副島 健介 氏
副島健介都市建築設計株式会社 代表取締役社長
ハーバード大学デザイン大学院 日本デザイン・ワークショップ講師 兼 実行委員
講演テーマ 留学で感動を追いかける ~ハーバード大学大学院を学びの場として~


講師紹介

氏名 副島 健介 氏
講師略歴 東京生まれ。日本の小学校に入学し、その後すぐに、小学校低学年~高学年までを米国で過ごす。小学校卒業前に帰国し日本の中学校に入学するが、その後すぐに、中学校低学年から高校低学年までを豪州で過ごすこととなる。

幼少時よりテニスに夢中な少年で、高校時代 数々のジュニア大会出場を果たし、プロテニスプレイヤーとして 生きてい行く準備を始める。豪州より帰国後は、国際基督教大学高等学校に編入し卒業。高校卒業後、テニスプレイヤーとして活動する。(数年間)

しかし、その後に身体を壊し、選手として生活することに限界を感じ、大学で勉強することを決意。偶然手にした建築雑誌を通して海外で培った経験が活かせるのではないかと建築学に惹かれて大学を受験した。


武蔵工業大学工学部建築学科(現:東京都市大学)入学 卒業
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 環境デザイン専攻 入学 修了
ハーバード大学デザイン大学院(米国)建築・アーバンデザイン専攻 入学 修了 卒業後 帰国
※ 都市デザインを学ぶため渡米。学位としては米国のデザイン系大学院では一般的である修士と博士の間に位置するPost Masters Degreeを取得した。

2006-2008 株式会社槇総合計画事務所勤務(NYグランド・ゼロWTC4などが代表作)
※ 槇先生は2020東京オリンピック国立競技場設計見直しを主導された有名人
2009年 ~ ワールドモニュメント財団(本部:ニューヨーク)サポート・メンバー
2010年 ~ 副島健介都市建築設計株式会社 代表取締役
2010年 ~ 国際都市デザインプロジェクト 分担研究者(慶應義塾大学主導)
2013年 ~ 国際建築・アーバンデザイン教育ネットワーク 実行委員
2013年 ~ 明治大学大学院理工学研究科 国際プロフェッショナルコース(発足メンバー)兼任講師
2014年 ~ 建築都市・学生インターナショナルフォーラム 実行委員
2014年 ~ 南カルフォルニア大学建築学科 国際スタジオ講師 兼 プログラムコンサルタント
2014年 ~ ハーバード大学デザイン大学院 日本デザイン・ワークショップ講師 兼 実行委員

分野で言うと、建築家、アーバンデザイナー、大学教員、国際化推進委員 と言う事に成る。
講師紹介 2016年 第45回 一期一会のご案内です。

昨年秋、上野の美術館で建築家100人展と言う催事が開かれた。東京都市大学出身の有名建築家100人の業績と作品を展示したもので、見ごたえのある素晴らしい展示であった。 この展示会の主催者である如学会の山岡先生にご招待を受けて参加したのだが、この会場で私は初めて副島さんにお目にかかった。大先輩の副島さんの甥御さんであると言う事だった。まだ若々しく学生の様な雰囲気をお持ちの副島さんであったが、話し込むうち段々引き付けられていった。

魅力の一つは国際性である。いろいろな国で色々な経験を積まれており、日本の大学が直面してる問題、日本の若者の国際的評価、日本の素晴らしさと欠点など、言葉の端端から深い洞察力が感じられ、話が興味深い。

二つ目は、実行力である。生計を立てておられる仕事としては、国際的な都市設計事務所である“副島健介都市建築設計株式会社” 社長であり、一級建築士である。しかし同時にいくつかの顔をお持ちで、アメリカ ハーバード大学大学院日本ワークショップ講師、南カルフォルニア大学建築学科の東京スタジオ講師であり、明治大学理工学研究科大学院の兼任講師でもある。 特に明治大学では、現在大学の国際化を推進する業務も熱心にこなされていると言う。東京都市大と早稲田大学で学生の海外インターンシップを進めてきた代表世話人の鈴木と共通の話題がいくつもあった。

三つ目は、いろいろお話している中で、副島さんが日本を好きな事、日本の将来に役立ちたいこと、母校である東京都市大学などに貢献したいと言う強い気持ちをお持ちで有る事だ。

上野の美術館で立ったまま小一時間も話しただろうか。立ち話では、到底副島さんのお人柄を知ることは無理と分かり、近々の会食を約束してこの日はお別れをした。

ちょっと脱線するが、私は自分の人生は自分が選べるものであると考えている。誰も何かの制約はあるが、その中で人は生きる方向を選択して人生を生きてきている。ある年齢になったとき、過去を後悔して人生を語る人、過去がどうあろうとすべて肯定して語る人、大きく2つに分かれるように思う。私は後者の人間であり、自分の人生は偶然に巻き込まれてしまった交通事故も含め今ではすべてが必然であったと考えている。

そんな人間なので、若い時から、自分に挑戦し、そこで見えた山に次々挑戦してきて、今の自分はその挑戦の結果であると言う考え方、通ってきたすべての先生、友人、学校、家族 に感謝し、何かで貢献したいと言う姿勢は、私の生き方にも合致し、このような後輩がい居る事を嬉しく思った。 

しかし、経歴を聞けば聞くほどエリートであり、挫折がなかった男なのだろうか?
それにしては、傲慢さが感じられない。何かありそうだと、さらに興味が出た。

会食をしたり、電話で話したりとコミュニケーションを重ねる中で、副島さんの小さな挫折と大きな挫折が解った気がした。

小学校から大学院卒業まで社会に出る前に、14校もの学校に行っていると言うのである。大学と大学院は3つなので、高等学校を卒業するまでに11校の学校に行っている事に成る。 小学校6年間中学3年間高校3年間とすると、12年間に11回学校を変わったと言う事である。それも日本の学校だけでなく米国、豪州の学校にも転校しているのである。

日本生まれの日本人なので、勉強についていくだけでも大変であったと思うし、友人を作るのは本当に大変だったと推測できる。4月新学期の日本と9月新学期の米国 豪州 に留年しないでどう対処したのか?この沢山の転校は、小さな挫折を沢山もたらしたに違いないと思うのだが、そのような様子はさっぱり見せない。
我々日本で生まれ育った日本人には無い、別の形の何か強さ、たくましさがあるように思われるのである。

そして大きな挫折は、子供の頃目指していたプロテニスプレーヤーに成れなかった? 事のように思われた。驚いた事に高校を卒業して数年間はテニスの選手として活躍していたのだそうである。その後、身体を壊してテニスでの生活が出来なくなり、そこから初めて大学行きを決めたそうだ。

1番テニスの成績の良かったのは高校時代であり、世界4大大会に出場していたという。ジュニアとは言え4大大会に出ると言うのは、本当にすごい。その後、デビューしたのだが、身体を壊し若くして引退した。

これは凄い挫折であったと思うのだが、その時も決断がどのようになされたか不明だが、海外経験が生きそうな仕事だからという理由で武蔵工大に入学し、建築学を専攻するのである。テニスで身を立てるつもりだった男が、短期間にどのように受験勉強に臨み、合格したのかも興味深い。

私には建築設計とプロテニスはどうも結びつかないが、武蔵工大合格後はすんなりと建築専攻の大学生に成り、かなり優秀な成績で卒業しているらしいのである。決断が早く、よほど適応力が高く、また頭脳も優秀だったのであろう。

大学卒業後、環境デザインを学ぶため慶応義塾大学大学院で環境デザインを専攻。その後、さらにハーバード大学大学院にも留学し、建築アーバンデザインのPost Master Degree を取得されている。

優秀だったことは確かであろうが、高校まで受験勉強とは無縁だった人間が短期間に世界でもトップクラスのハーバード大学大学院 Post Master コースに入学し卒業している点、 目標設定をしてからの集中力が人並み外れているのだろう。

ハーバードを卒業後に帰国し、(株)槇総合計画事務所(2020年東京オリンピックの新国立競技場再検討の口火を切られたり、ニューヨークのグランドゼロの設計をされたりで高名な槙先生の設計事務所。)に就職し、ここで約3年間働かれている。槇先生との仕事はとても刺激的だったと語っておられ、その時も入社早々でありながら、海外都市ホテルや大学アートセンターの設計等において得意な語学力も生かして、プロジェクトマネージャーとして仕事をされたようだ。本当にエリートだと思う。

日本人ではあるが、小学校を米国、中高の多くをオーストラリアで過ごした副島さんの英語は殆どネーテイブで、その点でも日本で英語教育を受けた日本人とは大きく異なり、考え方も凄く違うように思う。今、副島さんは 脂の乗った40歳。自身の設計事務所の仕事も忙しいことと思うが、経歴書にあるようにいろいろな業界、学会、大学などの役職をこなされている。

そして驚くことに、さらにこの範囲を広げようとしているように思われる。

この年齢ぐらいの日本のビジネスマンや大学の先生で、これだけ広範に活躍の場を広げている人をほとんど見たことがない。
 
しかし翻って、副島さんが仮にアメリカ人で、アメリカの名門大学の先生と考えると副島さんの考え方が少し理解しやすくなるように思われる。アメリカの大学の先生は他に仕事をもっている方が多く、大手企業の役員、部長などの要職に就いている方が沢山いる。また、自分で起業して社長をしている教授も沢山いる。

つまり、一つの企業、一つの仕事ではなく、多くの仕事をこなしながら 自分をさらに成長させていくと言う事なのだろう。副島さんが目指している形は、そのような形なのかもしれない。

副島さんは、色々な点で魅力のある人材だ。ハーバード大学大学院留学の印象につては、一言でいうなら“最高のおもちゃ箱”だったと言うのである。ハーバードでできた人間関係、アメリカのトップ大学で学ぶ楽しさや苦労なども聞いてみたい。

若い方も、これから留学を考えている方、これから社会出る方、社会人として今懸命に仕事をしている人、子供や孫の将来に疑問を持っている熟年者、世の中のために貢献したいと考えている人など、どなたにも衝撃の有る興味深い話になるだろうと思っている。

テニスプレーヤーと言うご経歴、世界のトップ大学大学院ご卒業と言う経歴、ご自身の都市建築設計事務所も東京、ニューヨーク、パリに展開されていて、民間ではあるが、これからは行政を動かす大きな仕事するようになるだろう。これからも本当に楽しみな方である。

沢山の方の参加を お勧めいたします。

代表世話人 鈴木 威一






皆様のサポートのおかげで、一期一会も57回を数えるに至りました。
本当にありがとうございます。
代表世話人 鈴木 威一
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